先日新潟での打ち合わせに赴く際、金沢市に寄って興味があった建築を見学してきました。
”まちのり”という金沢市内現在69カ所に設置されたシェアサイクルの1日パスを利用し、市内を周りました。
自転車専用通行帯も多く、安全面も配慮されていて、快適にまわることができました。
主な観光地の近くにはまちのりの乗り場があり、どこでも乗り捨て可能で、意外と坂道の多い金沢市の観光にはおすすめです!
まずは近江町市場で昼食を済ませ、鈴木大拙館に訪れました。
鈴木大拙館は、金沢出身の仏教哲学者である鈴木大拙の考えを伝え、来館者自ら思索することを目的に開設されました。
設計は、金沢にゆかりのある谷口吉生によるもので、まさにその目的を体現した空間でした。
まずは内部回廊を進み、展示空間に入ります。そこで鈴木大拙のこと知り、その後、学習空間で鈴木大拙から学んでいきます。
鈴木大拙は世界に禅(ZEN)を広めた第一人者だそうです。
そして最後に外部回廊を渡り、思想の空間に入って行きます。
自然と水景が広がり、ずっと居たくなるような空間でした。
ちなみに、Appleの創業者であるスティーブ・ジョブズも禅の思想から影響を受けており、無駄なものを排除したシンプルのデザインが特徴のApple製品が影響を受けていることは納得できますね。
そのデザインはこの建物も通じるものがあり、どこを見ても無駄のない景色は、禅の思想を体現しているように感じました。
設計やデザインをする上で、禅という精神的なものを学ぶことは、本当に人の必要とするものがみえる重要なことなのかもしれません。
禅というとお寺で座禅を組むイメージがありますが、この思想の空間で瞑想することで、気軽に行うことができます。
是非、来館者の少ない平日を狙って、訪れて頂きたいです。
前田